「安定」の代わりに私が失っていたもの。『君たちはどう生きるか』に教わった「自分の本心」の聞き方。

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82歳の巨匠が、私たちに託したもの

2023年、世界を驚かせた宮﨑駿監督の映画『君たちはどう生きるか』。

当時82歳の宮﨑監督が、膨大な時間をかけ、引退宣言を翻してまで形にしたこの作品は、まさに「次世代へ遺した最後のメッセージ」のように感じられます。

劇中、主人公が手にするのが吉野源三郎氏の原作本。 巨匠が自らの人生の終盤に、あえてこのタイトルを選び、私たちに「あとは君たちの番だ」とバトンを渡した――。そう考えると、この物語に記された言葉が、より重みを増して響いてきます。

時代が変わっても、変わらない問い

映画の中で描かれた混沌とした世界は、どこか私たちが生きる現代の写し鏡のようです。

会社組織に組み込まれ、なんとなく「生きがい」の感じられない日々を過ごしていた私。映画を観た後に、改めて原作を手に取ったのですが、中でも主人公を導く「叔父さん」の次の言葉に、最も心揺さぶられました。

「いろいろな経験を積みながら、いつでも自分の本心の声を聞こうと努めなさい」

毎日色んな出来事があるけれど、それに対する「自分の本心の声」って何だろう…。会社員時代の私は、「正社員として安定して働くのが正解」という世間体にとらわれていました。

でも、その世間体を守るのと引き換えに感じていた疲労や無気力を、むしろなるべく「見ないように、聞かないように」していたかも…?

本書を読み、そんな自分にハッとさせられたのでした。

次世代として、どう応えるか

宮﨑監督が、この映画に託したメッセージ。それは、「どんなに厳しい時代でも、自分の頭で考え、自分の足で歩け」という次世代へのエールではないでしょうか。

最近のスタジオジブリは、ジブリパークの開園や、新しい制作手法への挑戦など、大きな転換期を迎えています。長年スタジオジブリを背負ってきた巨匠は、この映画をもって、次なる世代へ正式にバトンを託したのだと私は感じました。

私たちも一緒です。会社員時代は、誰かが決めた「正解」に従っていればよかったかもしれません。しかし、「会社組織の一員」というレールから外れ、「脱サラ」した後の世界に正解はありません。だからこそ、自分の「本心の声」が唯一のコンパスになります。

映画、そして原作の最後には、読者への直接的な問いが待っています。

「君たちは、どう生きるか」

常に「正解のない時代」を、私たちが自分らしく生き抜いて行くためにできること。それは、これまでの常識ややり方とは違っても、自分の「本心の声」を信じて、一歩ずつ進んでいくことなのではないでしょうか。

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